新・ことば事情
6626「白根はシロネ?シラネ?」
12月5日、「日本三大ネギ」と言われる「岩津ねぎ」の出荷作業が、兵庫県朝来市で最盛期を迎えたというニュースを読む、山本アナウンサーから質問を受けました。
「『白根』は『シロネ』でしょうか?それとも『シラネ』でしょうか?」
「普通に読めば『シロネ』だなあ。『シラネ』というと地名のようだし、あんまり『シラネ』えなあ、なんちゃって」
とふざけていましたが、なかなか、これも難しい問題です。
「色の名前で、変化するのは『白』だけで。赤・黄・青・黒などは変化しない」
ということにも気付きました。なんでやろ?
「平成ことば事情6625酒瓶の読み方」で考えたこと、つまり、
「『酒樽』のような場合、『サケ→サカ』と変化する場合は、後ろの『タル』も『ダル』と『連濁』している。『連濁』するのは、後ろが『か行・さ行・た行・は行』だけなので『根』は連濁出来ないので、その前の『白』は『シロ』と変化しないのではないか?」
とも考えたのですが、そうとばかりも言えないようだし。
ここで改めて辞書(『広辞苑』)を引いてみると・・・なんと載っているではないですか!
*「しらね(白根)」
(1)植物の茎および根の土中にあって白色をした部分。
(2)【植】⇒しろね
この(2)の「しろね」を引くと、
*「しろね(白根)」
(1)シソ科の多年草(以下略)
(2)(女房詞)ねぎ。
(3)野菜などの茎・根の地中にある白い部分。
うーん、これって、
「両方の読み方が載っている」
ではないですか!区別が付かない!
もう地元の「岩津ねぎ」の農家でどう言っているかに従うしかないなあ。