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『道浦TIME』

新・読書日記 2017_152

『おい、小池!女ファシストの正体』(適菜収、KKベストセラーズ:2017、11、25)

ことし読んだ「適菜収」著の本は、『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)、『安倍政権とは何だったのか~時代への警告』(KKベストセラーズ)に続いて3冊目。あ、全部、出版社は「KKベストセラーズ」か。安倍、安倍と来て、小池。

タイトルの「小池」は「小池百合子・東京都知事」であることは誰でも分かると思うが、そのタイトルのセリフは、お気付きの方も多いと思いますが、

「あの一世を風靡した指名手配犯のポスターのものと同じ」

なんですね。「おい、小池!」で検索すると、「2012年10月21日」のこんな記事が出て来ました。

『徳島県警は20日、2001年に徳島市で起きた父子殺害事件で、長男への殺人容疑で指名手配し「おい、小池!」のポスターを作成して行方を追っていた小池俊一容疑者(52)が、岡山市の中心部で遺体で見つかったと明らかにした。病死とみられる。 徳島県警は手配ポスターを2004年に作成し情報提供を呼び掛けていた。2010年、公的懸賞金の対象事件に指定されていた。 岡山、徳島両県警によると、小池容疑者は19日午後9時10分ごろ、岡山市の自宅トイレで倒れ、同居女性(67)が119番したが、・・・』

そう、「同じ名字の徳島の殺人容疑の男と同じ扱いをしている」ということで、著者が小池都知事をどう思っているかは、読まなくても分かりますね。もう"全面否定"と言っていいでしょう。そんな本書から抜粋。

「ひとは、治療手段をえらんだと信じつつ、憔悴をはやめるものをえらぶ」(『権力への意志』ニーチェ)

「政治哲学者のハンナ・アーレントは、全体主義の本質は大衆運動であり、政策・イデオロギーの一貫性はないと喝破した。つまり、構造がない。中心は空虚なのだ。そこでは責任の所在が曖昧になり、『事実』は『目的』のために捻じ曲げられる。権力と大衆は共犯関係にあり、運動の継続だけが重要になる。それで責任を回避しながら、次々と新しい話題を打ち出すわけだ。」

フムフム。都構想と大阪万博、改憲と東京五輪か。

「小池は自分をAIだと言いましたが、たしかにそこには人間に備わる良心がない。冷徹で非情で傲慢で卑劣。世の中を混乱に陥れても、反省することがない。B層はなぜこうしたいかがわしいものに何度も騙されるのか?」

「イギリスの政治哲学者マイケル・オークショットは西欧近代は二つのタイプの人間を生み出したと言います。一つは判断の責任を引き受ける『個人』であり、もう一つは『できそこないの個人』。要するに大衆です。」

「全体主義は上から下への権力の一方的な行使ではない。強いリーダーに縛られたい大衆の願望とそのニーズを利用する政治があって成立する。彼らが求めているのは『気分』である。大衆はデマに不感症になり、訳知り顔で『政治家なんて嘘をつくもの。青くさいことを言うな』などと言い出したりもする。」

「小池は『希望の党』結党の会見で『日本をリセットする』と発言。(中略)ほとんど社会を解体するカルト勢力の発想だ。」

「『改革』は便利なキーワードです。失敗したら、それは改革が足りないからだと言い逃れできる。だからもっと改革を進めろと。これは悪質な宗教と同じです。救われないのは信心やお布施が足りないからだーーーー。」

そういえば昔、折伏された際に議論になり、熱くなって頭に血が上って鼻血が出た時に、相手に言われましたっけ、

「ほーら、信心しないから、鼻血が出る」

その時は、

「おのれが俺を怒らせるから、鼻血が出たんじゃ。アホか!!」

と言い捨てて憤然と席を立ったのを思い出しました。

40年近く前だけど、腹立たしい思い出です。

いかん!こんな本を読んでたら、腹が立って仕方がなくなるゾ!


star4

(2017、12、13読了)

2017年12月25日 12:24 | コメント (0)