新・ことば事情
6614「『おっしゃりたい』か?『おっしゃいたい』か?」
悩んでいます。
「おっしゃる」
という動詞は「活用」させると、
(未然)「おっしゃら(ない)」
(連用)「おっしゃり(ます)」「おっしゃい(ます)」
(終始)「おっしゃる」
(連体)「おっしゃる」
(仮定)「おっしゃれば」
(命令)「おっしゃい」
この中の「連用形」は、
「おっしゃり」なのか?「おっしゃい」なのか?
悩んでいます・・・。
こういうときは・・・そうだ、飯間さんに聞いてみよう!
と言うことで、『三省堂国語辞典』編纂者の飯間浩明さんにメールで聞いてみました。
『読売テレビ・道浦です。また、教えてください。「おっしゃる」の連用形は、
「おっしゃり」「おっしゃい」
のどちらでしょうか?「イ音便」だと「おっしゃい」ではないかと思うのですが・・・・
悩んでいます。』
すると、さっそくお返事が!
『メール拝見しました。シチュエーションがよく分かりませんが、「おっしゃる」の連用形は「おっしゃり」「おっしゃい」の両方あります。後者は、おっしゃるようにイ音便の形です。一般に、「おっしゃる」の連用形は、「おっしゃいます」の形でイ音便形で出てきますね。「ます」がつくと、昔ならともかく今は「おっしゃいます」となります。
「おっしゃり」を使う機会は少ないのですが、「そのようにおっしゃりつつも」「そうはおっしゃりながら」のように接続助詞へとつながる場合は「おっしゃり」も観察されます。「先生はそのようにおっしゃり、」と読点へとつながる場合もありますが、これは多くは「先生はそのようにおっしゃって」と言いますよね。こんな説明でいかがでしょうか。』
飯間さん、ありがとうございます。
やっぱり両方あるのか!
古くは「おっしゃり」だったのが「イ音便」で現在は「おっしゃい」で、でも中には「古い形」が残っているという「揺れ」があるようですね。悩ましいですねえ・・・。