新・ことば事情
6615「ンドランゲタ」
日本語には「ン」で始まる言葉は、まあ、ありません。
世界を見回すと、「ン」で始まる言葉でよく出て来るものでは、
「アフリカの人名や地名」
があることは知られています。例えば、ナイジェリアのサッカー選手の、
「ンケケ」
選手とか、日本のガンバ大阪にも所属したカメルーン出身のサッカー選手、
「エムボマ」
選手も、本当は、
「ンボマ」
だけど、「ン」から始まるのが日本で登録する選手名になじまないから「エ」を付けて「エムボマ」にしたんだとか。
アフリカ以外にはあまりないのかなと思っていたら、「イタリア」で見つけました。
「ンドランゲタ」
という名前です。これは、イタリアの「四大マフィア」一つの名前だそうで、カラブリア州に拠点があるそうです。しかし、やはり「ン」ではなじまないので「ン」を「ヌ」に代えて、
「ヌドランゲタ」
とも書くようです。「ン(N)」の後に母音の「U」を付けて「NU(ヌ)」にしたのですね。やはり、「母音」がないと「日本語」っぽくないのか?
そういえば、中国語から来た、
「馬」「梅」
という言葉は、元々は、
「ンマ」「ンメ」
だったのですが、「N(ン)」を母音の「U(ウ)」に代えて、
「ウマ」「ウメ」
になったんですもんね。
「四大犯罪組織」の残り3つは、
「カモッラ(ナポリが拠点)」
「サクラ・コローナ・ウニータ(プッリャ州が拠点)」
「コーサ・ノストラ」
だそうです。「カモッラ」「コーサ・ノストラ」も、聞いたことがあるな。たぶん、
「私達の家」
という意味なんでしょうね。スペイン語だと「ノストラ」は「私達の」で、「コーサ」は「カーサ」=「家」なのではないでしょうかね?