新・ことば事情
6606「『映す』と『写す』」
12月13日の「ミヤネ屋」でで、久々に「松居一代さん」を取り上げました。
その際に彼女が「晴れた青空」を指して、
「この空、うつしてる?うつしてよ!」
と言っていました。
この「うつす」は「映す」か?「写す」か?
最初の発注では「映す」でしたが、OAでは「写す」に直しました。
この漢字の使い分けは、
・「写す」=撮影
・「映す」=上映
だと覚えると良いでしょう。中には、
・「写真(静止画)」=「写す」
・「動画(ビデオなど)」=「映す」
と思っている人もいるようですが、必ずしもそうではありません。
「うつす」の語源は「移す」です。元あった場所から他の場所に「うつす」、その際に、昔は、
「書き写す」「描き写す」
ことをしていました。その後に「写真」が登場しても、「うつす」動作は、
「写す」
という漢字で示しました。その頃に「映す」という感じが使われたのは、
「鏡(水面)に姿を映す」
のように、
「光や影などが他の物の表面に見える」
ことを指しました。今で言うと、映画やスライドが、スクリーンの上に
「映る」「映される」
ということですね。
こういった語源から考えると、やはり最初に書いたように、
・「写す」=撮影
・「映す」=上映
ということになりそうですね。
(2017、12、14)