新・読書日記 2017_146
『黙殺~報じられない"無頼派系独立候補"たちの戦い』(畠山理仁、集英社:2017、11、29)
ツイッターで知ったフリーのジャーナリスト畠山さん。ひと回り年下で、早稲田の後輩。(面識はないけど)そのツイッターのマーク(なんて呼ぶのか分からない。アイコン?)が、随分長い間「ご自分のイラスト(自画像)」が頭を掻いて「どーもゲリラです」というコメントをつぶやいていました。
その畠山さん、この作品で2017年の「第15回 開高健ノンフィクション賞」を受賞されたと知り、またそれが、選挙で立候補するいわゆる、
「泡沫候補」
について書かれたものだと知り、「読んでみたい!」と思っていました。
読後感は、「おもしろい!」の一言です。選挙に出ようと思うこと自体、ある意味「正義感が人よりも強い」とか、「目立ちたい」とか「人のために役に立ちたい」とかの思いが、ずば抜けて強くなければなりません。そうでないと、立候補なんてしようとは思わない。でも・・・「泡沫候補」いや、畠山さんが尊敬の念を込めて、
「無頼系独立候補」
と呼ぶ人たちは、とても個性豊かで、確かにちょっと、おかしな人たちもいるけれども、みんな真剣で、真面目に取り組んでいるのだということが、よく分かるノンフィクションだった。
でもだからと言って、「当選したら、それはそれで困る」という候補も、たくさんいるようだが。
「政治」が「政党」のものから、「個人」のものへ、被選挙権を行使する権利を取り戻そうという試みのように思える。そのためには、外国に比べても高すぎる「供託金」の金額を、もっと下げるべきだ。そうでないと、選挙に出るなんて「物理的・経済的に無理」で、そのハードルを越えて立候補する人は「物好きな変わり者」と思われる。ぜひ、そのハードルを下げるべきだと思った。
それにしても畠山さん、あんたも「無頼派系独立ライター」だよなあ。