新・ことば事情
6597「簡裁」
12月12日のお昼のニュース担当の新人・岩原アナウンサーが、
「ちょっとお聞きしていいですか・・・」
と質問して来ました。
「東洋ゴムの免震装置が基準を満たしているとウソの報告をした偽装事件の裁判で『枚方簡裁』というのが『リード』と『本記』で出て来るんですけど、これはそのまま読んでいいでしょうか?それとも省略しないほうがいいですか?」
あ、なるほど。
「枚方簡裁」
そもそも「簡易裁判所」って、ニュースにめったに出て来ないからなあ。
「地方裁判所」=「地裁」
「高等裁判所」=「高裁」
はよく出て来ますが。
「家庭裁判所」=「家裁」
も、そこそこ出てきますが、同音異義語の、
「火災」
のほうがよく出てくるような気がします。
そういった意味では、視聴者が「カンサイ」と聞いて、すぐに、
「簡易裁判所の略の『簡裁』」
だとわかるか? というと、ちょっと疑問。そこで、
「最初に出て来た時は略さずに『枚方簡易裁判所』と読んで、2回目以降は『枚方簡裁』と略してもよい」
とアドバイスしました。岩原アナウンサーも本番では、リード部分は省略せずに読んでいました。
それにしても、
「ヒラカタ・カンサイ」
と聞くと、
「枚方・関西」
に聞こえますしね。
「『マイカタ』ちゃいます、『ヒラカタ』でっせ」。
その後に見た、ABCとNHKのニュースでもちゃんと略さずに、
「枚方簡易裁判所」
と読んでいました。