新・ことば事情
6596「治具」
ツイッターで「乗り物ニュース」というのを見ていたら、
「地下鉄(東京メトロ)丸ノ内線の昔の赤い車両」
が映っていました。「懐かしいなあ、今はもうないのかな」と思いながら見ていたら、やはりこの車両は、今はもう引退してなんと、
「アルゼンチン」
に送られ、異国の地で働いていたと。南米・アルゼンチン!そんな話がアルゼンチン!?
しかしその車両が、この度アルゼンチンからから戻って来て、修理されて展示されているのだそうです。そうしたら、また丸ノ内線で走れるのか?というと、やはり今の地下鉄のシステムには合わないので、走るのは無理。でも、修理をしたり、実際の線路ではないところで研修用に走らせたりすることは、運転士を育てるのに大変勉強になるということで、「逆輸入」したのだそうです。その説明文(スーパー)の中に、
「しかし、治すための部品や治具がない」
と。この
「治具」
という言葉、見慣れない言葉ですが、大体、想像はつきますね。
「治具」≒「治療具」
つまり、
「修理のための道具」
ということでしょうね。何て読むんだろう?
「ちぐ」?「じぐ」?
あ、今「じぐ」で変換したら「冶具」と出て来た!
もしかして国語辞典に載っているの?『広辞苑』を引いたら・・・載っていました!
*「ジグ(jig)=【機】(「冶具」とも当てる)工作物を固定して切削工具を工作物に正しく当て、正確・迅速に加工するために用いる道具」
『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』にも載っていて、
「『冶具』は借字」
と。つまり「jig」という英語に漢字を「当て字」しているんですね。
「倶楽部」
みたいなものだな。
でも、意味は何となく通じるのは、すごいなあ。この年齢になって初めて知った言葉でした。
あ、もしかして「ジグザグ」は、
「冶具座具」
とか「当て字」するんだとか?(笑)