新・ことば事情
6592「『ジャージー』か?『ジャージ』か?」
横綱・白鵬が「モンゴル人チーム」と英語で背中で書かれた「ジャージー」を着ていたことが問題(?)に。さて、この
「ジャージー」
という表記を見て、
「あれ?『ジャージ』じゃないの?」
と思った人も多いでしょう。そもそも「ジャージー」は、
「イギリスの地名」
なんです。そこで作られる特産品で「メリヤスのような編み目にしたやわらかな服地」を、
「ジャージー」
と呼んだんですね。「京都・西陣」で作られる織物を、
「西陣(織)」
と呼ぶようなものですね。
そして、その生地を使って作られた、
「サッカー・ラグビーなどのユニホームのシャツや、ジョギングなどに着る練習用運動着」
のことも、
「ジャージー」
と呼ぶようになったのです。
それとは別に、やはり「ジャージー地方」特産の牛に、
「ジャージー牛」
がいます。その「乳」が、
「ジャージー牛乳」
です。同じ場所です。
発音は、元々は「語尾を伸ばしていた」のですが、よく使われる「運動着」のほうが、後ろの「-」が省略されて、
「ジャージ」
と呼ばれるようになってきたのです。
一般的には「ジャージ」と「伸ばさないほう」が通りが良いですし、新聞やテレビでも「伸ばさない表現」が増えて来ています。でも「ミヤネ屋」では、表記はこれまで通り、後ろを伸ばして、
「ジャ-ジー」
です。当分の間は・・・。