新・ことば事情
6590「落鉄」
11月26日の競馬「ジャパンカップ」で、悲願のG1初制覇を果たし馬「シュヴァルグラン」の「オーナー」が、"大魔神"こと、元メジャーリーガーで横浜ベイスターズの元投手の「佐々木主浩さん」である、という話を、「平成ことば事情6585オーナー」で書きました。競馬に詳しくない私が書く、その続き。
実はこのレースの「一番人気」は、「オーナー」が演歌歌手の「北島三郎さん」で、「騎手」が「武豊さん」という、競馬を知らない私でも知っているぐらい有名な、
「キタサンブラック」
でした。それがなぜ、下馬評通りには勝てなかったのか?その原因が、
「落鉄」
だったと言うのです。この言葉、初めて見ました。
「落馬」は、
「騎手が、馬から落ちること」
だと知っていますが、そうすると「落鉄」は、
「騎手が、鉄から落ちること」
でしょうか?いや、「鉄」には乗っていない。この場合は、
「"鉄"が馬から落ちた」
なのでしょう。調べて見ると「落鉄」とは、
「蹄鉄(ていてつ)がはずれて落ちること」
とありました。こういったことは、時々あるそうです。
グーグル検索では(11月28日)
「落鉄」=52万5000件
でした。
手元にある国語辞典では、『広辞苑』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『三省堂国語辞典』『新潮現代国語辞典』『現代国語例解辞典』には「落鉄」は載っていませんでした。ところが!
『岩波国語辞典』
には載っていたのです!
*「落鉄」=馬の蹄鉄(ていてつ)がはずれて落ちること。
絶対、『岩波国語辞典』の編集担当の人の中に、「競馬に詳しい人」がいるな!