新・ことば事情
6586「女社長・女医」
先日の関西地区用語懇談会で「ジェンダー問題」について話し合いましたが、それで今、ちょっと、ジェンダー関係の言葉に敏感になっています。
そんな中、先日TBSの『世界!ふしぎ議発見』を見ていたら、お笑い芸人の東貴博さん(アズマックス)が、はるな愛さんに対して、
「こう見えて『青年実業家』なんですよ」
と言ったところ、はるなさんが、
「女社長!」
と訂正していました。この、
「女社長」
という言葉、放送ではあまり好ましくない言葉、となっています。「対語」「反対語」として、
「男社長」
というのはありません。それは、
「『社長』という職務が、本来『男性のもの』で、それを『女性が務めていると珍しい』ので『女』を付けた『女社長』という言葉ができた」
という、まさに「ジェンダー問題」に引っかかる言葉だからです。
しかし、「本人」が言うのならOKなんでしょうか?でも、本人は「女」なのか?また、「青年社長」と言われてそれを「女社長」に言い直すというのは、「青年」に「女」は含まないのでしょうか?「含む」と私は思うけどな。この場合の「女」は微妙ですが。あ、「青年」も微妙か、はるさなんは。
「1972年生まれの45歳」
ですからね。「日本青年会議所」に入れる「青年」は、
「40歳まで」
ですし。
また、テレビ朝日の人気ドラマ『DoctorX(ドクター・エックス)』の冒頭の、田口トモロヲさん(だよね?)のナレーションは、
「これは一匹狼の『女医』の物語である。」
というふうに、
「女医」
を印象的に使っていますが、特に苦情が来たという話は、聞いたことがありません。他局なので詳しくは知りませんが。まさに「女医」は強調したい言葉なんでしょうね、「ヒロイン」として。