新・ことば事情
6579「歌舞伎役者の『役を"勤"める』」
以前、歌舞伎や音楽・映画などに詳しい作家の中川右介さんの歌舞伎の本に、
「役を"勤"める」
とあったので、
「これは『役を"務"める』ではないのでしょうか?」
と中川さんに伺ったところ、
「歌舞伎役者は『役を"勤"める』と『勤』の漢字を使うのです。それは一般的な、『その役割をこなす』という意味ではなく、『その役になり切って演じる』という気持ちがあるからかもしれません」
と教えてもらったことがありました。そして、
「これって、ブログのネタになるね」
とアドバイスしてもらいましたので、書きました!
その後、中川さんから、
「今回の本では、平仮名の『つとめる』にすることにしました」
という連絡も頂きました。
中川右介さんの著書の最新刊、
『阿久悠と松本隆』(朝日新書)
も面白いですよ!