新・読書日記 2017_129
『小説の言葉尻をとらえてみた』(飯間浩明、光文社新書:2017、10、20)
著者の飯間さんから贈呈していただきました。ありがとうございます。飯間さんと言えば『三省堂国語辞典』の編纂者です。辞書に新しい言葉を載せるために、常日頃から、いろんな「言葉」に接している飯間さん。街で歩いていても「看板」や「ポスター」といった「文字」に目が行って、すぐにご自慢のiPadで写真を撮って記録されています。
当然、「小説」もそのターゲット。「言葉の蒐集」を目的に、様々な小説を読んでらっしゃいます。いろんな「読み方」があるのですね・・・・って、私もちょっとそういう目線でも読んでますけどね。わりとすぐ「誤植」見つけちゃうし。
取り上げられた「小説」は最近の物を中心に15冊。列挙すると、
『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ)★
『風が強く吹いている』(三浦しをん)★
『残穢(ざんえ)』(小野不由美)
『オレたちバブ入行組』(池井戸潤)★
『チッチと子』(石田衣良)
『桜ほうさら』(宮部みゆき)
『横道世之助』(吉田修一)★
『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子)
『マチネの終わりに』(平野啓一郎)
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(伏見つかさ)
『八日目の蝉』(角田光代)★
『阪急電車』(有川浩)★
『グラスホッパー』(伊坂幸太郎)
『ギケイキ 千年の流転』(町田康)
『チョコレートコスモス』(恩田陸)
現代を代表する作家たちの作品。「ラノベ=ライトノベルズ」までと守備範囲が広い!その物語の中にこっそりと飯間さんが乗り込んで行って、ことばを観察する、という体(てい)ですね。これはこれで、面白い。
「男女比」は男性作家7人、女性作家8人。ほぼ半々。これも考えての選択なんでしょう。
この15作品の内、私が読んだことがある作品は、★の付いている「6作品」でした。
また、何と「128ページ」の『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子)の中の言葉について書かれたところで、私も登場します!「綿菓子」と「綿飴」についての記述です。読んでね!
あと、「183ページ」の『猫を抱いて象と泳ぐ』(小川洋子)の中で、誤植発見!後ろから4行目、
×「野菜妙め」→○「野菜炒め」
と、ちょっと「妙」なことになっていました。「女へん」ではなく「火へん」ですね。
きっと増刷されるから、直してくださいね!