新・ことば事情
6529「主席と首席」
<2014年4月29日に書きかけました。このところ、昔、書きかけたものを書き継いでいます>
2014年3月31日、「ミヤネ屋」の放送前に、テロップをチェックしていたところ、この日ご出演いただく「永濱利廣氏」の肩書が、
「第一生命経済研究所"主席エコノミスト"」
となっていたので、
×「主席」→○「首席」
と直しました。しかし、担当ディレクターが「第一生命経済研究所」に電話で確認したところ、この研究所では、
「"主席"エコノミスト」と「"首席"エコノミスト」
があり、永濱氏は、
「"主席"エコノミスト」
であるとのことでしたので、この日は「主席」で放送しました。
なお、「第一生命経済研究所」で「首席エコノミスト」と「主席エコノミスト」では、
「『首席』のほうが偉い」
のだそうです・・・。(なぜ「主席」ではなく「次席」と言わないの?ごまかしてない?という心の声を抑えつつ・・・)
このメールを読んだあるスタッフは、
「北朝鮮の最高尊厳に並ぶ称号ですね。」
また別のスタッフからは、
「いっそ"酒席"エコノミストだったら、違いが分かりやすいのに...。」
という貴重なご意見を頂きました。それじゃ、仕事にならんがな!
ちなみにご存じとは思いますが、北朝鮮の「故・金日成(キム イルソン)」も、2期目に入った中国の「習近平」も、
「国家主席」
です。念のため。こちらは「国家首席」と書くと間違いです。
(2017、10、25)
(追記)
第一生命経済研究所の永濱さんの肩書、2020年1月29日にHPで確認したところによると、
「首席エコノミスト」
になっていました。以前調べたときは「主席」でしたが、今回は「首席」。「首席」のほうが「上」なんだそうです。出世したんですね。おめでとうございます。