新・ことば事情
6527「丁寧な説明」
森友・加計問題などについてのさらに詳しい説明のため、野党から「臨時国会の開催」を求められた安倍首相は、3か月も「臨時国会」を開かず、9月28日にようやく開いたと思ったら、
「冒頭解散」
つまり、「国会での説明」は行いませんでした。
その衆議院解散に当たって、安倍首相は、
「選挙活動の中で丁寧に説明していく」
と話しました。
しかし、実際には、選挙戦の中では全く「丁寧な説明」は行われませんでした。
その説明を避けて通っています。そのことは、同じ自民党の筆頭副幹事長・小泉進次郎氏が、街頭演説の中でも指摘しています。
これは一体、どういうことなのか?考えました。
思うに、野党や国民の多くが求めているのは、
「何を、どのように説明するか?」
なのですが、その「国民が求めていること」に関しては一切説明せず、
「国民が聞いてもいない自分の主張のみを、繰り返し繰り返し、壊れたテープレコーダーのように話すこと」
これが、安倍首相の言う、
「丁寧な説明」
だったのです。安倍首相の「本心」を想像して書いてみると、
「私の言う『丁寧な説明』は、皆さんが思っていることとは違います。私が言いたいこと、伝えたいことのみを『丁寧に言う』だけで、『皆さんの疑問に答える』という意味ではないのです。」
となるでしょう。しかしそれは、
「一般的な言葉の意味での『丁寧な説明』ではない」
のです。安倍首相の話す「日本語」と、私達国民が使っている日本語は、
「表面上の音・文字は同じでも、意味が異なる」
のです。これでは、コミュニケーションが取れるはずがありません。
それがわからないのか?あるいは、わからないふりをしているのか?
いずれにせよ、
「国民に対して真摯な態度とは言えない」
のではないでしょうか?あ、そうか、安倍首相の言う、
「国民の皆様」
は、あくまで、
「自民党支持者のみ」
であって、それ以外の、
「『こんな人たち』は、「『国民』という範疇にはない」
と考えているのかもしれませんね。そう考えると納得がいくのですが、そういう人を、
「政治家」
とは、私達の「従来の日本語」では、呼ばないのですが・・・。