新・ことば事情
6501「千佐子被告」
青酸保険金連続殺人事件の裁判の報道で、
「筧(かけひ)千佐子被告」
の表現が、各新聞で違います。9月19日夕刊で見ると、
<見出し> <本文>
(読売新聞) **** 筧被告
(朝日新聞) **** 被告
(毎日新聞) 千佐子被告 千佐子被告
(産経新聞) 筧被告 筧被告
(日経新聞) **** 被告
なぜか「毎日新聞」だけ「千沙子」被告と「ファーストネーム」を使っています。
最初は「夫」を殺した疑いだったので、被害者の夫も「筧さん」だったので、加害者を、
「千佐子被告」
として、それが続いているのだと思われます。また、被害者の筧さんの遺族からは、
「もう、『筧』という名字を使わないでほしい」
という要望も出されているようです。
もう20年近く前になりますが、「和歌山の毒入りカレー事件」で逮捕された、
「林真須美・死刑囚」
の場合も、
「真須美被告」
と「ファーストネーム」で呼ばれていましたが、あの場合は「夫」も逮捕されていて、名字が二人共「林」であったので、区別を付けるためという理由がありました。
「森友学園問題」で逮捕された、「籠池泰典容疑者」と「妻・諄子容疑者」の2人をまとめて、逮捕前に、
「籠池『夫妻』」
と呼んでいたので、逮捕後も「夫妻」を使い続けているのと、ちょっと似ているかもしれません。(「和歌山毒入りカレー事件」では「夫妻」ではなく「林夫婦」と「夫婦」が使われていました。)
ちなみに、読売テレビの夕方のニュース番組「かんさい情報ネットten.」でも、
「千佐子被告」
としていました。
10月10日、その千佐子被告に対して、「死刑」が求刑されました。