新・ことば事情
6495「紙菅」
テニス教室のトイレで、使い切った状態のトイレットペーパーの芯に、こんな文字が印刷されているのに気付きました。
「この紙管はトイレに流さないでください」
この、
「紙管」
という言葉、見慣れません。「紙の管」。そりゃ「鉄の管」は「鉄管」だし、「コンクリートでできた菅」は「土管」ですから、「紙でできた管」は「紙菅」で不思議はないですが、あまりみかけない言葉です。『広辞苑』を引くと、ちゃんと載っていました。
*「しかん(紙菅)」=紙・布・ラップなどを巻く芯とする紙筒」
そう、
「紙筒」
こっちの方が、なんか意味が伝わりやすいような。「紙菅」は、言葉としては「硬い表現」ですね。
『三省堂国語辞典』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『現代国語例解辞典』『岩波国語辞典』には載っていませんでした。
グーグル検索では(10月9日)、
・「紙菅」=41万2000件
・「トイレットペーパーの紙菅」= 7件
・「トイレットペーパーの芯」=63万7000件
でした。「トイレットペーパー」と「紙管」「芯」を別にして検索すると、
・「トイレットペーパー」「紙管」=13万5000件
・「トイレットペーパー」「芯」 =94万3000件
でした。「紙菅」で最初に出て来たサイトは、
「紙菅・紙筒の製造販売」
でしたから。専門用語のようですね。