新・ことば事情
6481「スピード離婚」
先日、結婚から「3年で離婚」した、俳優の満島真之介さんのニュースを扱った際に、
「スピード離婚」
という見出しを使ってしまいました。放送後に、
「3年で離婚というのは『スピード』離婚なのか?」
という疑問がスタッフから出ました。言われてみれば、確かに、
「3年という結婚生活は、短い」
ですが、
「『スピード離婚』というほどは、短くない」
気がします。昔よく言われた、
「成田離婚」
のようなのは「スピード離婚」ですが、「3年」は、そこそこ長い。
「スピード離婚」が使えるのは、
「結婚から1年以内ぐらい」
が目安ではないでしょうか。あ、これって、
「『新婚』はいつまでか?」
というのと似てますよね。一般的には「1年以内」ですが、本人たちにとっては、
「子どもが生まれるまで」「3年以内」
という人が多いのではないでしょうか?(特に女性は。)
そう思っていたら、また出て来ました「スピード離婚」。
今度は、女優の尾野真千子さんで、
「2年で離婚」
でした。うーん、「2年」も、たしかに早いが、「スピード離婚」とまでは言えないのでは?「スピード離婚」は「1年以内」に使いましょう。
×「尾野真千子(35)スピード離婚」
→○「尾野真千子(35)わずか2年で離婚」
と直したのですが、
「当日の項目デスクがOKしたので、きょうは『スピード離婚』でいく」
となりました。
「スピード」を強調することでニュースバリューを上げたいという意図はわかるのですが、
「使えば使うほど、その効果は低減する」
ことも考えておかなければなりません。今後、要検討ですなあ。