新・ことば事情
6462「知らんけど」
「ネットでホテル予約ができる」
のは当たり前ですが、その料金を比較できるサイトに「トリバゴ」がありますね。
そのコマーシャルに出ているアメリカ人女性が、日本語をしゃべっているように見えて、かなり流暢なので、少し映像と音声に、齟齬と言うか違和感がありました。
「『アテレコ』で、誰か別の人が話しているのかな?」
と思っていました。ところがこの女性、実は、
「大阪のUSJの元スタッフ」
で、「実際にあの日本語をしゃべっている」ということを、バラエティー番組に出演して日本語で話していました。そうだったのか!
彼女は、実際に大阪で暮していたので、
「大阪弁」
が身に付いたそうです。司会者から投げかけられた、
「典型的な大阪弁は?」
という問いに対し、彼女は、
「大阪人は、何か話した最後に『知らんけど』と付ける」
と。なるほど!たしかにたしかに、絶対そういう傾向、ありますよね!知らんけど。
ということで、「今年の我が家の流行語大賞」は、
「知らんけど」
に、もう決定しました。ちなみに「去年の我が家の流行語大賞」は、
「残念ですね」
でした。知らんけど。
ところでこの「知らんけど」を、使ってないけど使っているに等しい人を思い出しました。
ある国の首相です。
「『そもそも』という言葉に『基本的に』という意味がある」
と、こじつけたり、
「一つ一つ丁寧に説明する」
と言ったにもかかわらず、その説明の舞台である「臨時国会」開催の要求に応えず、ようやく開くとなると冒頭に解散をしようとして、解散の真偽などについて聞かれると、
「いちいち説明することは避けたい」
と言って海外に逃げたり(国連総会出席のためだけど)、まあ本当にあきれるばかりです。
これらの発言の後ろには、もしかしたら、
「知らんけど」
が付いているのではないか?
「『そもそも』には『基本的に』という意味がある。知らんけど」
「一つ一つ丁寧に説明する。知らんけど」
などと付けてみると、ちょっと納得するような・・・。
しかしこの「知らんけど」は、「一般の大阪人」は使ってもいいけれど、
「『政治家』は絶対に使ってはいけません。」
たとえ「心の中」ででも、です。
「政治家は2万パーセント、使ってはいけない言葉」
なのです!・・・・・知らんけど。