新・ことば事情
6459「病気の表現」
2017年5月16日の「ミヤネ屋」で、モデルの道端アンジェリカさんに、中継で生出演してもらって、彼女が、
「乾癬(かんせん)」
という皮膚病で悩んでいるという話をしてもらいました。その際のテロップをチェックしていたら、
「恐ろしい乾癬(かんせん)」
という表現がありました。病気の表現として「恐ろしい」はダメ。それによって、
「差別を誘発する恐れがあるから」
です。既にその病気になっている人・家族などの気持ちを考えるべきです。
「事実を述べる」のと「感情を言葉にする」のは違います。そこで、
×「恐ろしい乾癬(かんせん)」→○「治りにくい乾癬(かんせん)」
○「皮膚病・乾癬(かんせん)」など。
と修正して放送しました。
翌週の5月22日の「ミヤネ屋」で、今度は「認知症」を取り上げました。ジョン・レノンの妻だったオノ・ヨーコさんが、
「レビー小体型認知症」
にかかっているというニュースを扱ったのです。その際にも事前のチェックで、
「『レビー小体』恐怖の症状」
というテロップが。
いたずらに「病気の恐怖」をあおる表現はダメですから、これも、
×「レビー小体」恐怖の症状→○「レビー小体」症状
と修正して放送しました。
『読売テレビ放送基準ハンドブック2014』には、「障害」に関しては、
「精神的・肉体的障害に触れる時は、同じ障害に苦しむ人々の感情に配慮しなければならない」
という記述がありますが、「病気」もそれに準じますね。