新・ことば事情
6453「半紙のタテヨコ」
『校閲記者の目~あらゆるミスを見逃さないプロの技術』(毎日新聞校閲グループ)を読んでいたら、
「半紙」
の大きさを、
「縦24~26センチ、横32センチ~35センチ」(大辞泉)
と書いてありました。(102ページ)それを見て「おや?」と思いました。
なぜかと言うと、
「縦と横が逆ではないか?」
と思ったのです。習字に使う「半紙」は、
「長いほうが縦、短いほうが横」
で使ったことしかありません。間違っているのでは?と思って『大辞泉』以外の辞書も見てみたんですが、私が見た10種類ほどの国語辞典は、「縦横」に関しては全て、
「『大辞泉』と同じ」
でした。その中の『岩波国語辞典』に、
「元々は横に長いものを、左右に半分に切ったもの」
とありました。つまり元々は、
「縦は同じ長さ(24センチぐらい)で、横は倍の長さ(70センチぐらい)」
の紙だったのですね。
「書き初め」
で縦書きで「初日の出」とか書く紙みたいな感じかな?それとも、旅館などで長押(なげし)や欄間のところに掛かっている「額」に、
「右からの横書き(本当は「縦1文字の縦書き」)」
で書かれているような感じかな?ちょっと小さいか。
つまり、元々の紙を「半分に切った」ので「半紙」というのはわかるし、元々は、
「横が長く、縦が短い形で横書き(縦1文字・縦書き)に使われた」
であろうことはわかるのですが、「半紙」となってしまった現状においては、
「元々の紙で『横』だった部分を『縦』にして使っているのではないか?それならば、長い方を『縦』と呼ぶべきではないか」
と思うのですが、いかがでしょうか?