新・ことば事情
6446「H難度」
去年(2016年)8月に、この、
「H難度」
について書き始めました。というのも、私達世代で「体操の技の難しさ」を示す言葉は、
「ウルトラC」
しかありません。つまり「C難度」です。でももう「C難度」なんて簡単すぎるようで、
「D難度」=difficulty
「E難度」=execusion
と来て、ついに
「H難度」
になっているということについて書こうとして、1年寝かせておいたのです。
すると!2017年9月6日の、いつも読んでいる朝日新聞、
「ことばの広場~校閲センターから」
というコラムで、まさに、
「ウルトラC」
に付いて取り上げていたのです。先にやられた!
記事によると、朝日新聞のデータベースでは「ウルトラC」の記事の初出は、東京五輪が開幕する半年前の1964年4月で、当時の体操の技は「ABCの3段階」だったそうです。「C」が最高段階で、それを超越する技が「ウルトラC」です。
その後、1985年に「D難度」が設定されて、現在は「I」まで上がっているそうです。
え?「H難度」までじゃないの?「I難度」ってまた1段階、上がってるじゃない!・・・「H難度」って、ちょっと「H」な感じがしたから「I」を作った...ということはないと思いますが、
「出た!ウルトラH」
とかの言葉は、アナウンサーは口にしにくいと思います。
コラムは、
「一方で、今でもウルトラCの語が生きているのは、Cが最高難度を指した期間が長く、それだけインパクトが強かったからでしょう」
と記しています。松原雅己記者の記事でした。
(追記)
2017年10月に行われた体操の世界選手権で、白井健三選手が「ゆか」と「跳馬」で金メダル、個人総合で銅メダルを取りました!そして女子では村上茉愛(まい)選手が「ゆか」で見事優勝を果たしました。快挙です!
その中で出て来た「技の難度」ですが、「ゆか」での、
・「リ・ジョンソン」=「G難度」
・「シライ3」 =「H難度」
だそうです。
これは「ゆか」での難度ですが、「同じ技」でも他の種目、たとえば「鉄棒」であると、「難度が下がる」ということもあるようです。
(2017、10、7)