新・ことば事情
6434「色泣き」
クリーニング屋さんに出したワイシャツを取りに行ったときに、壁に貼ってあったポスターが目に留まりました。そこには、
「浴衣の色泣き」
とありました。この、
「色泣き」
という言葉は、初めて見ました。なんでも、「色泣き」とは、
「色が滲み出ること」
だそうです。また、浴衣などの色は、
「堅牢度か弱くて、色泣きすることがある」
のだそうです。この、
「堅牢度」
というのも、初めて見た言葉です。
『精選版日本国語大辞典』『広辞苑』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『三省堂国語辞典』『現代国語例解辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』には「色泣き」は載っていませんでした。
グーグル検索では(9月4日)
「色泣き」=2万0700件
出て来ました。その中の「日本繊維製品・クリーニング協議会」のサイトには、2012年8月に、「色泣きについて」という文章がありました。
http://nichisenku.jp/thismonth/bleeding/
それによると、
「色泣きとは、濃淡(白を含む)のある生地において濃色部から染料が流れ出し、淡色及び白場を汚染させる現象を言います。色泣きが起きる原因は商品の素材、クリーニング・洗濯方法によりいくつかあります。」
と説明があり、さらに、
「1.ポリエステル素材で柄物・プリント・縫製切り替えによる濃淡配色製品ではドライクリーニングにより色泣きすることがあります。ポリエステルを染める分散染料は、繊維の内部に拡散することで堅牢な染着状態となりますが、その後の様々な工程で熱処理を受けることで染料が繊維内部から繊維表面に移行していきます。この染料がドライクリーニング溶剤で溶出し、乾燥時に淡色部へ移行し色泣きが発生するのです。色泣きを防ぐにはドライクリーニング時にすすぎを十分に行ない、速やかに乾燥することが必要です。」
と素材別に「色泣きの原因・防止策」が記されています。
これ以上詳しいことはサイトを見てもらうとして、「色泣き防止策」の結論としては、
「水洗いの場合でも、すすぎを十分に行ない、脱水後は速やかに乾燥することが必要」
のようですね。
あ、そういえばこないだ買ったジーンズ、最初の洗濯の際に「色落ち」したけど、あれも「色泣き」なのかな?