新・読書日記 2017_101
『朽ちゆく世界の廃墟』(自由国民社:2017、3、24)
新聞の書評欄で特集していたので、興味を持って購入。
「廃墟」は、確かに「美しいもの」だった。特に「世界の」ものは、
「一度は、見に行ってみたいな」
と思わせるに十分な魅力を持っている。そして、その写真と文章を読み進むうちに、
「何かに似てるな」
と思った。最後まであと何ページかというところで、ハタと思い当った。
「これは宮崎駿の世界だ!」
と。そうなのだ、
「ジブリ映画に出て来る自然の世界」
に大変よく似ているのですね、これらの廃墟は。
それは一体どういうことか?というと、宮崎駿さんが描くのは、人間が過去に築いた文明が一度崩壊して、その後の世界で如何に人間が生きていくか?というような話を描くという一貫したポリシーがあるように思うのですね。何となく、養老孟先生の「バカの壁」的な世界。♪人間なんてラララーララララーラーのように、「自然には敵わない」という視点を持っているように思う。
「廃墟」とは、「文明の限界」と「自然の強さ」の象徴ではないか。「滅びの美」とはつまり、そういうことなのではないかなあ・・・と感じたのでした。
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