新・ことば事情
6435「ミズ(Ms.)」
私が夕食を食べている横で、中1の娘が英語の宿題をしていました。
答え合わせで音読しているのを聞いていたら、
「ミズ」
という音が聞こえてきました。見てみると、
「Ms.」
と書かれています?
あれ?「ミス(Miss)」でも「ミセス(Mrs.)」でもなく「ミズ(Ms.)」なの?
もちろん、女性を「未婚・既婚」で分ける敬称は「女性差別」だということで、どちらにも使える「ミズ(Ms.)」という言葉があることは知っていましたが、
「中学校でそれを普通に使っている(教えられている)」
ということは、恥ずかしながら全く知りませんでした。
じゃあ「ミス○○コンテスト」(叩かれてることもあるけど)は、
「ミズ○○コンテスト」
になるの?ミュージカルの『ミス・サイゴン』は、
『ミズ・サイゴン』
になるの?サイモン&がーファンクルの名曲『ミセス・ロビンソン』は
『ミズ・ロビンソン』
になるの?アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットが主演したスパイ映画『Mr.&Mrs.スミス』は、
『Mr.&Ms.スミス』
になるの?と次々と疑問が押し寄せて来ましたが、まあそれは全部、関係ないでしょう、固有名詞だし。わかっていて、言ってます。
学校で「ミズ(Ms.)」を教えている、つまり「ミス」や「ミセス」は使っていないということに、ちょっと動揺しているだけです。
なぜ「ミズ(Ms.)」そを教えるようになったか?
やはり「時代の流れ」なんでしょうけど、
「妙齢の女性に語りかける時に『ミス(Miss)』か『ミセス(Mrs.)』確認するのが面倒」
ということもあったのでしょうね。よく知っている人には、
「ファーストネーム(名前)」
で呼ぶでしょうけれども、初対面の人や、それほど親しくない人には、
「ミス(Miss)○○」「ミセス(Mrs.)○○」「ミスター(Mr.)○○」
と、「○○」には、
「ファミリーネーム(名字)」
を入れて呼びます。
でも、女性でも繰り返し「離婚」をしたり、年齢が高いけど「未婚」だったり、「同居・同棲」はしているが「結婚はしていない」などの人が増え、
「生活のスタイルが多様化」
してきているので、区別するのが難しくなって来たのでしょう。「男性」の
「どんな状況でも『ミスター(Mr.)○○』」
と呼んで良いほうが、理にかなっていますからね。それに合わせたのでしょう。
つまりは、
「ミズ知らずの人にでも使える」
という利点があったということなんでしょうねえ。