新・読書日記 2017_098
『潔白』(青木俊、幻冬舎:2017、7、10)
これはおもしろかった!
既に死刑が執行されて何年もたつ元死刑囚である父の冤罪を晴らすために、その元死刑囚の娘と、それに共感した弁護士・雑誌記者・新聞記者、父の死刑執行に立ち会った牧師などが出て来ます。
読み始めたら一気に読んでしまった。二転三転四転していく状況は、正にミステリー。後半にいくにつれて加速する感じ。実際の冤罪事件などの情報も盛り込んであるので、小説でありながら、現状の司法制度や捜査体制、DNA鑑定の信頼度の問題、冤罪、死刑制度、司法の硬直した権威主義・官僚制度の問題点などへの疑問点を突き付ける作品になっている。おもしろい・・・というとなんですが、大変興味深い一冊でした。
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