新・読書日記 2017_096
『日本水没』(河田惠昭、朝日新書:2016、7、30)
日本では、ことしもまた「水害」が起きた。1時間に100ミリを超えるような、これまでだと「五十年に一度の大雨」が、毎年、何度もやって来るのだ。防災の専門家の河田先生は、
「大地震に備えるのも大事だが、それよりも毎年必ずやって来る水害・豪雨災害に対して、日本は余りにも無防備である」
と、警鐘をガンガン鳴らしている。
アメリカ・テキサスでも今まさに、大変な洪水が起こっている!世界中で「水の災害」への「防災」を考えなくてはならない。
この本は去年出たものだが、まったく古びていないどころか、最新の内容だと思う。そして、国に対して「防災省」の創設を提案しているが、それは誰も今まで考えなかったが、この10年で当然必要とされる役所なのではないか。
消防のポンプ車では、地下50メートルの地下鉄の構内に溜まった水を汲み出せない。台湾では、海軍の艦艇の排水ポンプで汲み出したことがあるという。
また、「防潮堤」も、昔の基準でできているものが多いので、いざという時に閉まらなくなっているものもある。最新の災害を防げないと、意味がない。
そういう規模での防災を考えないといけないとなると、「防災省」は必要なのではないだろうか。
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