新・読書日記 2017_092
『Mr.トルネード~藤田哲也 世界の空を救った男』(佐々木健一、文藝春秋、2017、6、15)
著者の佐々木健一さんは、NHKのディレクター。以前、一度だけお目にかかったことがあるが、以降メールで色々と連絡をくれる。素晴らしい作品を、これまでにもいくつも作り出しているが、映像では描ききれなかったことをこうやって文字で本にして書かれている。この本を入れて、これまでにも3冊書いているが、いずれも素晴らしい。
何が素晴らしいか?まず着目点。この本の「Mr.トルネード」と呼ばれた竜巻の研究者「藤田哲也」という人、皆さん知ってますか?私は知りませんでした。「トルネード」って「野茂投手」かと思っていました。
しかし、読んでいくと「竜巻のスケール」を表す「F」というのは、これまでに聞いたことがあった。その「F」は、実は「藤田のF」なのだという。それは知らなかった。
そして、航空機墜落事故の原因が「ダウンバーストである」と解明したのは、まさにこの藤田博士だという。その藤田博士とは、一体どんな人だったのか?解明していく様子は、まるでミステリーを読んでいるよう。
全世界の人々が安心して飛行機に乗れるようになったことの要因の大きな一つとして、この「ダウンバースト」の解明があった。その本を、3年ぶりの海外家族旅行で行った飛行機の中で読みました。ありがとう、藤田博士、佐々木さん!
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