新・ことば事情
6417「『ひらく』か『あく』か?」
6月23日、乳がんと闘病して来たフリーアナウンサーの小林麻央さんが、22日に亡くなったと報じられました。34歳でした。若すぎる・・・哀悼の意を表します。
そのニュースの中で紹介する麻央さんのブログに、闘病で痛みに耐えていると、フッと楽になる瞬間があると。その際には、
「口がぽわーっと開いてしまう」
と書かれていました。この、
「開いてしまう」
の「開いて」の読み方ですが、
「ひらいて」
でしょうか?それとも、
「あいて」
でしょうか?
「口をひらく」というと、
「何かを話す」
ときにも使われるように、
「自分の意思で、口をあける」
ときに使う気がします。それに対して「口があく」は、
「自分の意思かどうかとは関係なく、あいた状態になる」
という気がします。そして、
「ひらく」=動詞的
「あく」=形容詞的
というイメージがあります。今回の場合は、
「闘病で痛みに耐えていると、フッと楽になる瞬間がある」
ということですから、
「自分の意思とは関係なく開く」
ので、
「あいてしまう」
のほうが妥当なのかなあと思いました。