新・ことば事情
6416「トリコン」
テレビを見ていたら「フォンテーヌ」のCMで、
「トリコン」
という言葉が出て来ました。何の略語かと言うと
「トリートメント・イン・コンディショナー」
の略だそうです。
私はもうてっきり、読売テレビが主催して毎年琵琶湖で開かれる、
「鳥人間コンテスト」
のことかと思いました!(ヨッ!愛社精神!)
「鳥人間コンテスト」は、今年「第40回」を迎えました。大会の模様は、
「8月23日午後7時から放送」
されます。また、その「鳥人間コンテスト」をテーマにした小説を、土屋太鳳さん主演で映画化した映画、
「トリガール!」
は、「9月1日公開」です!楽しみですね・・・・って、実は私、会社に入ってからこれまで、たったの一度も「鳥人間コンテスト」を見に行ったこともなければ、仕事が付いたこともないんですけど・・・「一視聴者」としてテレビを見ているだけです。これも、うちの社員としては、珍しいことかもしれませんね。
で、何の話でしたっけ?
あ、「トリコン」ね。
そもそも「トリートメント」と「コンディショナー」って、そもそも「同じ物」ではなかったの?前に書きませんでしたかね、これ。しかも最近・・・あ、書いてないな。書いた気がしたのに・・・。
記憶によると、昔は、
「リンス」
と呼んでいたものが、最近は、
「コンディショナー」
と呼ばれるようになって、さらに、
「トリートメント」
というのも出て来たけど、「コンディショナー」と「トリートメント」は違う、と。
こんな話ではなかったか、と思います。
それが今回「トリコン」では「1つ」になっていると。
昔、薬師丸ひろ子さんがやっていた、
「チャン・リン・シャン」
というコマーシャルで宣伝していた、
「リンス・イン・シャンプー」
というのがあって(「リンプー」だっけか?)愛用していましたが、大分あとになって、
「『洗い流すもの(シャンプー)』と、『とどまって効果を発揮するもの(リンス)』が1つになっていて、本当にどちらも効果を発揮できるのか?」
というような疑問も耳にしました。そう言えば最近は、あまり目にしなくなりましたね。
「トリコン」は、どうなんでしょうか。これは、
「どちらも、とどまることで効果を発揮する」
から、良いのかなあ。
で、こういうことは女性、それも若い女性が詳しいと思って、新入社員の女性やアルバイトの女子学生に聞いたところ、黒髪の美しい若手女性社員が、
「私は『コンディショナー』は整える、『トリートメント』は保つという意識ですけど」
と答えました。その話を横で聞いていた、それほど髪が長くない男性学生アルバイト君が急に口を挟んで来ました。
「『シャンプー』が"アルカリ性"なので、『コンディショナー』はそれを中和して"弱酸性"に戻すんです。そして『トリートメント』は、髪に栄養を与えるんです」
「え!なんで君がそんなに詳しいの?」
「いやあ・・・」
「そう言えば、『コンディショナー』はサッと洗い流すけど、『トリートメント』はしばらくそのままにして、浸み込むのを待ちますよね」
「おじさん(=私)は『リンス派』なんだけど、そうすると『リンス』はどう違うの?」
「『リンス』は、『コンディショナー的』ですかねえ」
「でも、結構、浸み込むのを待つ感じもあるよね」
「そうですねえ」
と、結局みんな、「何となく」使っている感じでした。
こういう時はやはり『三省堂国語辞典』かなあ。引いてみましょう。
まずは「コンディショナー」から。
*「コンディショナー」(=ヘアコンディショナー)洗った髪(かみ)をしなやかにし、手触りをよくするための液体。リンス。
って、やっぱり「コンディショナー」は「リンス」なのか!
それで「トリートメント」は、
*「トリートメント」(=ヘアトリートメント)いたんだ髪(かみ)を直すための薬剤。
ついでに「リンス」も。
*「リンス」=シャンプーのあと、かみの毛をしなやかにするために使う液体。ヘアリンス。
わかったような感じもします。あくまで「感じ」ですが。ついでに「シャンプー」も。
*「シャンプー」=かみの毛を洗うときに使う、あわだちのよい液体。また、それで洗うこと。ヘアシャンプー。
それにしても「コンディショナ―」と「トリートメント」は「髪」が「漢字にルビ付き」で、
「髪(かみ)」
なんですが、「リンス」と「シャンプー」は「平仮名」で、
「かみの毛」
なのは、なぜ?
おそらく「シャンプー」「リンス」のほうが古くて、昔は「平仮名」を使った「かみの毛」という表記(「髪」は「表外字」なので、「平仮名」で書くことが徹底されていた)だったけど、新しく追加された「コンディショナー」「トリートメント」では、より雰囲気が伝わるように「漢字」を使った(でもやはり「表外字」だからルビを振った)ということかな?しかも、
「髪(かみ)の毛」
というように「の毛」が付いた形ではなく、あくまで、
「髪(かみ)」
で、「の毛」は付きません。最近の傾向かもしれませんね。