新・ことば事情
6414「アラハン」
「朝日新聞」電子版の記事で、こんな見出しを見かけました。
「アラハン本、続々」
この、
「アラハン」
とは何ぞ?「アラハン」とは、
「アラウンド・ハンドレッド」
つまり、
「100歳前後の人」
を指すようです。「アラハン」の人が書いた本が次々とベストセラーになっていると。ついこの間亡くなった日野原重明先生や、書道家の篠原桃江さん、『くじけないで』の詩集で有名な故・柴田チトヨさん、『置かれた場所で咲きなさい』の著者で昨年末亡くなった故・渡辺和子さん、このところベストセラーを連発している作家の佐藤愛子さんなど、やはり女性が多いですねえ。男性より長寿だから。さすがに「人生の大先輩」のお言葉だけに、読んだ人は皆「素直に『なるほど』」という気になるんでしょうね。私もいくつか読みましたが、面白かったです。
それにしても、「30歳前後」を指す「アラサー」から始まり、
「アラフォー」(40歳前後)
「アラフィフ」(50歳前後)
「アラ還」(60歳=「還暦」前後)
と来て、「70歳前後」「80歳前後」「90歳前後」は飛び越して、「100歳前後」に来ましたか!「超高齢化」ですねえ。あ、「70歳前後」「80歳前後」「90歳前後」は、
「アラコキ」(70歳=「古希」前後)
「アラサン」(80歳=「傘寿」前後)
「アラソツ」(90歳=「卒寿」前後)
というのがあったような気もしますが、それほど定着していないはずです。
念のため、グーグル検索しますね(8月2日)。
「アラサー」 =1810万0000件
「アラフォー」=1980万0000件
「アラフィフ」= 451万0000件
「アラ還」 = 26万0000件
「アラコキ」 = 1680件
「アラサン」 = 384件
「アラソツ」 = 384件
「アラハン」 = 3万2400件
でした。ほら、これを見ても「70・80・90歳」を、飛び越えてますよね、「アラハン」。
それにしても、2009年に「平成ことば事情3487 アラ還」を書いてから、「8年」も経ったんだなあと思いました。