新・ことば事情
6411「千と百」
実は、日本テレビ系列の「ニュース」では、「数字の単位」としては、
「『千』『百』は使わない」
ことになっています。「5けた以上の数字」については、原則として、
「『万』以上の単位語(=「万」「億」「兆」等)を使って、わかりやすくする」
ことになっているのですが、
「百」「千」
に関しては、
「かえって煩雑になるので使わない」
ということなのです。これって新聞とは違うところかもしれません。たとえば、「日本の人口」は(2015年10月1日現在・国勢調査による)
「1億2709万4745人」
と表記します。「千」や「百」を用いて、
「2千7百9万人」「4千7百45人」
とは書きません。
また、「千」を用いたことが、間違いを誘発することもあります。
以前、警備員を増員したというニュースのパネルで、手書き発注の字が汚くて、
「5千人増員」
と発注したのが、出来がりでは、
「54人増員」
と、えらい小規模になっていて「おかしいいな」と思ってチェックして直したことがありました。これも発注を「千」を使わずに、
「5000人」
にしていれば、防げた間違いですね。もちろん、
「千夜一夜物語」「千日前」(地名)「千秋楽」「千と千尋の神隠し」
などは「千」を使います。
「1000夜1夜物語」「1000日前」(地名)「1000秋楽」
「1000と1000尋の神隠し」
などにはしません。「固有名詞」でもありますしね。
ややこしいのは、
「千円札」
これは漢字の「千」を使いますが「1000円札」でもOKのような・・・。意味上の使い分けとしては、
「千円札で、1000円ちょうど支払った」
というところなのですが、お分かりになりますか?