新・読書日記 2017_081
『ある日うっかりPTA』(杉江松恋、角川書店:2017、4、28)
面白かったです。
一般の保護者が、急にPTAの会長になって戸惑うという。私も同じ経験を10年前にしたことがあるので、「そうそう!」と思いながら読みました。
著者の名前「杉江松恋」は「すぎえ・まつこい」と読むそうです。書評・評論家。いわゆる自由業。そうすると、昼間、家にいるので「ヒマ」だと思われて、こういう「役職」のお鉢が回って来ると。
実際にやって見ると、「地域社会」というのが分かります。ある学校の「PTA」は、自動的にその上部組織の「市のPTA組織」に組み込まれていて、それが「府(県)のPTA組織」に組み込まれていてという以外にも、地域社会の「青年部」に、PTAは組み込まれているので「自治会」などとも連携を取ります。すると、
「地域のこの辺りにはこんな人がいて、面倒を見てくれているのか」
というようなこともわかるし、
「市役所のこういう部署が、地域にこう関わっているのか」
ということもわかります。
また、なぜかわからないのに続いている理不尽な仕組みとか、何の役にも立っていないであろうことが連綿と続いているとか、なんでこんなことにPTA会費を使うのだ?というような、一般社会人の目から見ると、とても理解できないようなことが行われているのも、よく分かります。ある意味"魔界"ですね。わけのわからない人が牛耳っていたりね。理不尽ですよー。
あんまり長くやるもんじゃないけど、まあいっぺんぐらい、やってもいいかなと。
できれば、あまり近付きたくないなあと、私は思いましたけどね。
この著者は、積極的に関わって一定の成果もあったようで、良かったですけどね。でも結局やめて、もう一回やろうとは思わないと。その辺りを書いてほしかったけど、書けないようねえ。