新・ことば事情
6406「縦断か?横断か?2」
「平成ことば事情5822縦断か?横断か?」の関連です。まあ、同じことですが。
「台風3号」と、梅雨前線が押し上げられた南側から湿って空気が流れ込み、積乱雲が帯状に集まって大雨をもたらす
「線状降水帯」
が発生。九州を始め各地に被害をもたらしています。(7月7日に書きました)
さて、その「台風の進路予想」で、
「日本列島を『縦断』か?『横断』か?」
の問題が出ました。原則は、その「進路の方向」によって、
「南→北」(北→南)=「縦断」
「西→東」(東→西)=「横断」
です。(「偏西風」の影響などで(つまり「地球の自転方向」と関連)、大体、気象現象は、
「南→北」「西→東」が多いです。「シベリア高気圧」は「北→南」ですが。
それに基づくと、今回の「台風3号の進路」は、
「西→東へ、ほぼ真横=緯度線と並行」
だったので、
「横断」
が妥当でしょう。7月3日(月)と4日(火)の「ミヤネ屋」では、
「横断」
で放送しましました。私が見た7月4日の日本テレビ「スッキリ!!」は、
「縦断」
フジテレビ「とくダネ!」は、
「横断」
でした。これに関しては「かんさい情報ネットten.」の校閲を6月から担当している漢字博士(漢字検定1級の合格者の中でも「1番」を獲ったことがある)下尾雅之さんが、7月5日に社内向けのメールで、
「台風3号が列島『●断』、近畿『直撃』へ」
と題して書いています。それを引用すると、
『台風3号は、日本列島を「縦断」しそうなのか、それとも「横断」しそうなのか。4日朝刊のラテ欄でも、各局まちまちでした。夏から秋にかけて発生する台風の多くは、南西から北東へと進むため、通常、列島を「縦断」します。しかし、台風3号の場合は、北緯34度付近を、ほぼ東進する進路予想だったので、「横断」の方が、より的確でしょう。』
とのことでした。