新・ことば事情
6391「過半数超え」
7月2日の東京都議会選挙では、「都民ファースト」が躍進しましたが、その報道の際に見かけた言葉に、
「過半数超え」
がありました。これっておかしくないですか?
「半数を超える=過半数」
なのですから、その「過半数」をまた「超える」ことが、果たしてできるのか?
たとえば、全体が「100議席」とすると、「50議席=半数」なので、
「51議席"以上"=過半数」
になります。つまり「過半数」に「以上」は付かない。付けると、
「過半数以上=『51議席以上』以上」
となって「『以上』が重複する」ことになります。同じ理屈で「超え」「超」も付かないはずです。
しかし、なぜ「過半数超え」などという言葉が出て来るのか?というと、この言葉を使う人たちは、
「過半数=51議席(=過半数の最少数)」
だと思っているのでしょう。
これは、きっちりと正しておかないといけませんね。それと、以前も書いた、
「○○超え」
という表現がはびこっていることも、「過半数超え」出現に拍車をかけているような気がします。また、
「過半数割れ」
ならわかるのですが、もしかしたらこの「過半数割れ」が、影響を与えているのかもしれません。