新・ことば事情
6390「青なじみ」
全国的には、
「青たん」
と呼ばれる、身体をどこかにぶつけた時の、
「青あざ」「内出血の痕」
これの呼び方が、結構、地方によって方言がバラバラです。ネット検索してみると、
https://ameblo.jp/tiakiazunyannmoe/entry-11284995193.html
「青たん」=北海道・青森・秋田・福島・東京・神奈川・静岡・京都・山口
「赤たん」=東京
「青なじみ」=茨城・千葉
「黒なじみ」=福島
「青じみ」=福岡・愛媛
「黒じみ」=三重
「しんでる」=新潟
「ぶんず色になった」=福島
「青あざ」=東京・神奈川
「青ぢ」=愛知・広島・山口
「黒ぢ」=岩手・宮城・愛知・三重・山口
「黒じに」=広島
「青じに」=広島
「青しに」=石川
「青じん」=福井
「しぬ」=兵庫
「つぐろ・つごろじん・つぐろじん・つぐるじん・ずぐろじん」=鹿児島
「おーる」=沖縄
「よった」=宮城
「ちーしんでる」=長野
「黒ね」=長野
「黒ずみ」=静岡
「青ずみ」=静岡
「黒ず」=静岡
「ちがしんだ」=静岡・愛知
「黒にえる」=愛知
「しんでる」=三重
「青じ(染)んだ」=京都
「しぬ」=兵庫
「にえる・にえた」→和歌山
「しにいる」=広島
「黒ちがよった」=佐賀
「青じんたん」=宮崎
国立国語研究所のサイトで「内出血」の呼び名(方言)は、
青森・岩手=ぶち・ぶっち・ぶずつ・くろじ
宮城・福島=くろなじみ・くろなじえい・ぶちる
が載っていました。
私が思ったのは、この中の「青なじみ」「黒なじみ」の、
「なじみ」
というのは、
「『にじみ』の転では?」
ということなのです。また、「黒ずみ」「青ずみ」や「黒じに」「青じに」の、
「ずみ」「じに」
という言葉も、
「『にじみ』の転」
なのではないかな?と思います。そしてさらに、
「しんでる」
というのは、
「『しゅんでる=浸みている』の転」
ではないかなと考えました。
そうすると、ここに出て来た「『青たん』の方言」は、ほぼ全部、
「語源的には、ほぼ同じではないか」
という気がしたのですが、いかがでしょうか?
ただ、和歌山の「にえる」系と、鹿児島の「つぐる」系は、ちょっと違うような気がしますけどね。