新・ことば事情
6382「『連れて行って』のアクセント」
「連れて行って」
という言葉の「標準語アクセント」は、次のうちどちらでしょうか?
(1)「ツ/レテイッテ」(平板アクセント)
(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)
若い人の中では、
(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)
が多いようなのです。
先日ニュース原稿を読んでいたYアナウンサー―(31歳)と、Kアナウンサー(24歳)は共に横浜出身ですが、(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)だったのです。
年に2回程教えに行っているアナウンス学校の生徒さん14人(19歳~21歳)に聞いてみたところ、
(1)「ツ/レテイッテ」:(2)「ツ/レテイッ\テ」=「6:8」
で、やはり(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)のほうが多かったです。
また読売テレビの新人アナウンサー2人に聞いたところ、
(1)「ツ/レテイッテ」(平板アクセント)=男性新人アナ(日大・高知出身)
(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)=女性新人アナ(神戸女学院・兵庫出身)
という結果になりました。
もしかしたら、「私をスキーに連れてって」の、
「連れてって」
という言葉のアクセントが
「ツ/レテッ\テ」
となるところから、「行」が脱落しない形の「連れて行って」も同じように、
「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)
になってしまうのではないか?というのは、男性ベテランアナウンサー2人の共通した意見でした。そうかもしれません。
「連れて」「行って」
という2つの動詞の意味を対等に考えれば、
(1)「ツ/レテイッテ」(平板アクセント)になる(=従来のアクセンント)
だと思うのですが、「行く」を「補助動詞」のように考えると、その部分を立てる必要がなくなり、
(2)「ツ/レテイッ\テ」(中高アクセント)
になるのかもしれません。
いずれにせよ、アクセントが変わって来ているのは、間違いなさそうです。