新・ことば事情 (2017、7、12)
6372「ひもとく」
7月12日の「読売新聞」朝刊の「編集手帳」で、前日の7月11日に「改正組織犯罪処罰法」が施行されたことについて、書いていました。
そのまとめ部分に、こんな一文がありました。
「警察創設史をひもといても無駄にはなるまい」
この中の、
「ひもといても」(「ひもとく」)
は、「紐解く」とも「繙く」とも書くようですが、
「本を開く・読む」
ことを指します。昔の本には紐が付いていた。今でも古い本・和書で、紐の付いたものを見かけることはあります。だから「本を読む・開く」ことを「ひもとく」と言うのですね。そして、
「歴史をひもとく」
は、よく使われる表現です。そこからの類推で、
「謎をひもとく」
等とも使われています。しかしこれは、本来は間違いです。
たぶん、「歴史」の場合は、
「歴史"書"をひもとく」
ことで「歴史が明らかになる」ので、「書」を省略して、
「歴史をひもとく」
と使われるのでしょう。これは「許容」でしょうね。
今回の「編集手帳」での「警察創設史」という「歴史」も、そこからの類推で「ひもとく」を竹内政明さんが使ったのだと思います。
その竹内さん、この間、7月6日の読売新聞に、うちの森若佐紀子アナウンサーとの対談が載っていました。というのは「編集手帳」の朗読を、関西では読売テレビのアナウンサーたちが、この6月から行っているからなんですね。お世話になっています!