新・ことば事情 (2017、7、12)
6371「囲碁は打つ、将棋は指す」
将棋の藤井聡太四段の話題で、将棋のルールもわからない人たちも巻き込んで、ちょっとしたブームになっていますよね。そこで、よく問題にされるのが、
「囲碁」=打つ
「将棋」=指す
ということなのです。特に今回は「将棋」なので、
「指す」
と言わないといけないのに、つい、
「打つ」
というとお叱りを受ける。
しかし、ちょっと待った!
本当に「将棋」は「指す」だけなのでしょうか?
将棋の記事を読んでいると、
「駒を打つ」
という表現が出て来ます。平成ことば事情6367「4一玉打」で書いたように、「玉」を
「打つ」のはあり得ませんが、きょう(7月12日)の読売新聞に載っていた、「第30期竜王戦 4組決勝 第7譜」の棋譜では、
「3三銀打」
と表現していました。相手から取った駒を、盤面に指す場合は、
「打つ」
と言うのですね。また、「持ち駒を打つ」だけではなく、きのう(7月11日)の読売新聞に載っていた、「第30期竜王戦 4組決勝 第6譜」の小暮克洋記者の記事でも、
「4二金と打つのが好手段」
というように「打つ」が出て来ました。「将棋」に「打つ」もあるのです!
「指す」と「打つ」の使い分けは、どうなんでしょうねえ?
あ、「好手段」も気になるな。