新・読書日記 2017_077
『アンカー』(今野敏、集英社:2017、5、30)
「隠蔽捜査」シリーズの今野敏さん。多作です。スゴイ。今回は"警察モノ"ではなく(と言っても警察は出て来ますが。半分"警察モノ")、"テレビ局モノ"。私達のテリトリーです。時々、こういった"テレビ局モノ"のドラマもありますし。
ある「迷宮入り事件」について、このところちょっと視聴率に悩む民放テレビ局のニュース番組のスタッフたちの動きと、その「取材先の一つ」としての警察の迷宮入り捜査班である「特命捜査対策室」の2人の刑事。プロ同士のやり取りや、事件の輪郭が徐々に狭まって行く感じなど、スリリング。
ただ、テレビ番組側で出て来る人の数が、ちょっと少なすぎる感じはするんですけど。もう少し「チーム」の人数を多くしてほしいなあと思いました。でも面白かった。
タイトルの「アンカー」というのは「アンカーマン」。日本では「キャスター」という言葉で表現されますが、番組の司会者と言うかMCと言うか、それよりも大きな力を持った、ジャーナリストとしてコメントなども言う(番組構成に大きな力を持つ)人のことです。もともとの「アンカー」は「船の錨(いかり)」のことですね。
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