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『道浦TIME』

新・読書日記 2017_072

『床下仙人』(原宏一、祥伝社文庫:2001、1、20第1刷・2016、5,20第32刷)

本書の単行本(四六判)は、なんと「1999年」、「18年前」に出ている。つまり、その時代に書かれた短篇小説5つをまとめた物。今でも全然、古くない。それどころか、今の時代にピッタリ!ということは、小説が早いのか、時代が遅いのか?

ただ、タイトルが「床下仙人」を取るより、「派遣社長」を取ったほうが、今の時代には注目される気がするのだが。それでも、文庫本になって16年で32刷(半年に1回、増刷しているということか!)というロングセラーなのは、注目に値する。「静かなブーム」というヤツか?私が知らなかっただけか?

この著者の本は「2016読書日記052」で書いた『天下り酒場』(祥伝社文庫:2009、10、20第1刷・2015、11、15第16刷)で初めて知って、読んで面白かったが、そういえば、あれもロングセラーであった。

「これまでの価値観で働く男」「仕事」「家庭」「家族」の関係・形が変わって来た、崩れて来たことを、この小説は20年近く前に感じ取って、作品にしていた。それに「時代」がようやく追い付いてきたのだ。だからおもしろい。古くない。ジャストフィットでした!


star4

(2017、6、8読了)

2017年6月10日 12:18 | コメント (0)