新・読書日記 2017_068
『自覚~隠蔽捜査5、5』(今野敏、新潮文庫:2017、5、1)
昨年夏以降にはまって全部読んだ今野敏『隠蔽捜査』シリーズの新刊。でも「5」でも「6」でもない「5,5」という中途半端な「0,5」というのは、『隠蔽捜査3.5~初陣』(2016読書日記128)でもあった様に。主人公の警視庁・大森署長「竜崎伸也」がメインではない、いわゆる「スピンオフ」の短編集。それはそれで、大変楽しめます。
そこのところの国会中継で、やたら安倍首相が繰り返し口にする、
「印象操作」
という言葉。これを聞いて私は、この、
「隠蔽捜査」
を思い出しているのです。
また、元民放のエース記者が起こしたとされる「準強姦事件」。それを、
「当時の警視庁の刑事部長」
が指示して逮捕を中止させたとかなんとか。おお、「警視庁の刑事部長」と言えば、主人公である大森署長「竜崎伸也」の少学生時代の同級生で、
「警視庁の刑事部長である『伊丹俊太郎』」
ではないか!と。
「刑事部長」は警視庁でも「ナンバー3」か「ナンバー4」の「おエライさん」なので、普通なら所轄署に出て来たりはしないのだが、「幼馴染の竜崎がいる大森署」には、結構、頻繁に顔を出す。「当時の刑事部長」も「伊丹刑事部長」のように、いろいろ口を出して来たのか?などと想像してしまう。ま、小説のほうは、
「普通は、そんなことがない」
から面白く読めるのだけど、
「事実は小説より奇なり」
と言いますからねえ・・・。
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