新・ことば事情
6338「ベルトにつかまり」
いつも聞いてる・耳にしているけど全く気にならないことが、急に「あれ?」っと思うことはありませんか?私はきのう、そういう経験をしました。
駅のエスカレーターに乗る際に、注意を促す自動音声が流れていますね。あれです。
「エスカレーターにお乗りの際は、ベルトにつかまり・・・。」
というアナウンス。え?「ベルトにつかまり」?
「ベルトを持ち」
ではないのか?と思ったのです。
エスカレーターのベルトは、いわゆる「手すり」みたいなものですから、
「手を添える」
感じですよね。「つかまる」には、
-
対象の位置が上
-
しっかりと体重をかける(預ける)ような感じで握る
というイメージがあります。背の低い人や子どもの場合は、ベルトの位置が高くて「つかまる」感じになるかもしれませんが、普通の大人は「つかまる」ような位置関係には、なりません。
乗り物で「つかまる」といって思い浮かべるのは、
「電車のつり革」
です。あれは「上の方」にあるので、「つかまる」感じになりますね。
また、高さはあまり関係ないもので言うと、同じ電車の、
「握り棒」
も「つかまる」と表現することがあるかもしれません。普通は、
「(握り棒を)しっかりと握り」
だとは思いますが。
なぜ、「つかまり」になっているのか?もちろん、全てのアナウンスがそうかどうかの確認はしていませんが。今後いろいろな所のアナウンスを、注意して聞いてみたいと思います。