新・読書日記 207_060
『謎の漢字~由来と変遷を調べてみれば』(笹原宏之、中公新書:2017、4、25)
今は早稲田大学教授になっている笹原さん。もう十数年前になるが、まだ国立国語研究所にお勤めの時に、大阪で一度だけお会いしています。漢字の専門家。本もたくさん出していらして、専門的な話を一般の読者にも興味を持って読んでもらえるように、うまーく工夫されている。
今回もキャッチーなタイトル「謎の漢字」。ほら、タイトルを見ただけで、
「え?何なの?読んでみたい!」
となりますよね。しかもサブタイトルが、
「由来と変遷を調べて見れば」
ですから、
「フムフム、それで?」
と引き込まれていきますね。導入がうまい!ついつい買って読んでしまいます。
第一部が「日本の地名・人名と謎のJIS漢字」。人名も地名も興味があるけど「謎のJIS漢字」、これは惹かれますよね!
そして「第二部」がまた秀逸!
「海老蔵は蝦蔵か」
へ?どういうこと?歌舞伎に興味はあるけど、それほど詳しいわけではない私なんぞは、つい興味を持って、まず「第二部」から読み始めてしまいましたよ。つまり「海老蔵」の表記の歴史を辿ると「蝦蔵」も出て来るそうなんです。え?それは本物なの?偽物なの?・・・ほらほら、興味が広がるでしょ?
中川右介さんの著作も出て来ましたよ!
そして「第三部」は「科挙と字体の謎」ということで、漢字の字体の違いに関する話で、これも実に興味深い!ということで、読み応え満載の一冊です!!(やたら、「!」が多いな)
star4