新・読書日記 2017_057
『時間の言語学~メタファーから読みとく』(瀬戸賢一、ちくま新書:2017、3、10)
とっても難しい哲学の本だった。薄い新書なのに、読むのに時間がかかった
でも、最初の方がとっても興味深く面白かったので、読み始めたのですね。
何がおもしろかったかって言うと、「過去」「現在」「未来」という3つの「時間」に関する表現について。これが『広辞苑』と『新明解国語辞典』で、「全く正反対の表現」をしていると。すなわち、
『広辞苑』=「過去」から「未来」へ
『新明解』=「未来」から「過去」へ
「時間」は流れると表現されているというのです。
おもしろい!
つまりこれは、「時間」が主語なのか、それとも「自分(考える主体)」が主語なのかで、「逆」になると。「相対的な関係だ」ということなのですね。
「時間」が流れるのではなく「自分=私」が「前(未来)」に向かって進むから、「時間」は「後ろ(過去)」へと流れ去っていくと。当たり前のことなのですが、視点を変えることで見え方が違う。
電車に乗って窓の景色を見る時に、「進行方向に向かって乗る」のと「進行方向に背を向けて乗る」ので、当然のことながら景色の流れ方・見え方は変わりますよね。そういうことかな。面白い?面白くない?
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