新・ことば事情
6329「お鍋屋さん」
5月9日、日本テレビの『ZIP!!』を見ていたら、渡辺直美さんが出て来て、お店を紹介するコーナーがありました。その中で渡辺さんが行きつけの「鍋料理店」のことを、
「お鍋屋さん」
と言っていました。ナレーションも、
「おしゃれなお鍋屋さん」
と言っているのを聞いて、違和感が。
「おしゃれなカフェ」
というのは聞くけど「おしゃれなお鍋屋さん」というのは、なんかちょっとヘン。
そもそも「お鍋屋さん」というのは、
「鍋を売ってる店」
であって、
「鍋料理を提供する店ではない」
のではないでしょうか?「お鍋屋さん」という言い方は、
「鍋=鍋料理」
という「略語の認識」があってこそ成り立つ語法ですね。ちょっと違和感がありました。
たとえば「お肉屋さん」は「ステーキ店」?「肉を売ってる店」ですよね。「パン屋さん」も「魚屋さん」も「パンを売っている店」「魚を売っている店」ですよね。
「鉄板焼き」のお店のことを「鉄板屋さん」とか言う?(言うかも)
「ケーキ屋さん」は「ケーキを食べさせる店」?「ケーキを売ってる店」ですよね。(食べさせる店もあるな)
・・・よく考えると、「お寿司屋さん」は「お寿司を売っている店」ではなく、
「お寿司を食べさせる店」
ですし、「カレー屋さん」も「カレーを売っている」というよりは、
「カレーを食べさせる店」
ですね。
「今晩はお鍋しようね」
と言う時の「お鍋」は、
「鍋料理」
だよなあ。じゃあ、「お鍋屋さん」もおかしくないということかなあ。あまり耳にしないだけでしょうか?
グーグル検索では、
「お鍋屋さん」= 9570件
「お鍋屋」 = 1万0200件
「鍋料理店」 =152万0000件
でした。