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『道浦TIME』

新・ことば事情

6328「『嵐山』のアクセント」

「平成ことば事情5816小早川家の秋」で、小津安二郎監督の1961年作品『小早川家の秋』の中で出て来る京都の地名

「嵐山」

のアクセントが、

「ア/ラシ\ヤマ」

「中高アクセント」だったことを書きました。東京の方はこれを、

「ア/ラシヤマ」

「平板アクセント」で読むことが多いのですけどね。去年5月に出た『NHK日本語発音アクセント新辞典』でも、「平板アクセント」の、

「ア/ラシヤマ」

しか載せていません。この件に関しては、去年(2016年)12月の新聞用語懇談会放送分科会の席で、アクセント辞典の編纂に関わったNHK放送文化研究所所の塩田雄大さんに伺いました。

(ytv・道浦委員)『NHKアクセント新辞典』では、京都「嵐山」のアクセントが、「平板」の「ア/ラシヤマ」しか載っていない。「地元局アクセント」の「中高アクセント」の「ア/ラシ\ヤマ」を入れてほしかったが、検討はしたのか?

(塩田氏)この「中高アクセント」の「ア/ラシ\ヤマ」については検討したが、地元の京都放送局が一貫して「ア/ラシヤマ」(平板アクセント)で放送しているという回答だったので、「中高アクセント」は採用しなかった。伝統的(方言)としては「アラシ\ヤマ」だと思うが。

という答えでした。

しかし、やはり地元では「中高アクセント」のようです。

先日、ゴールデンウイークに、久々に「嵐山」に行ってきました。その際に、阪急電車の車内アナウンスは、

「ア/ラシ\ヤマ」

と「中高アクセント」だったのです。「地元アクセント」は「中高」です!

NHK京都放送局さん!「中高」ではないの???

「平成ことば事情5983『三千院』のアクセント」もお読みください。

(2017、5、8)

2017年5月11日 00:21 | コメント (0)