新・読書日記 2017_045
『世界観』(佐藤優、小学館新書:2016、12、6第1刷・2016、12、25第2刷)
大きく出たが、それだけのことはある。「世界」を見ることの第一人者・佐藤優ならでは。
去年(2016年)の年末に出ている。オバマからトランプに大統領が変わったことを受けての一冊。ちょうどその前に、その2年前に出た手嶋龍一さんとの対談集を読んだばかりだったので、2年の時間を考えて、比較しながら読むことが出来た。で、結論は、
「世界のルールが変わった」
ということ。オバマは「チェンジ」できなかったのだが、それによって「変わった」というのは皮肉な話だ。その中でロシア・プーチン大統領の存在が、より重要になって来たと。プーチンがスノーデンをどう見ているかなども参考になる。
そしてやはり「テロとの闘い」が重要になるとも。しかし「イスラム国」よりも「サウジアラビア」が、国際情勢の攪乱要因になると述べている。
また日本も「イスラム国」との戦争における「当事者意識」を持つべきであると。勇ましいことを言う安倍首相には、実はそれが欠けている。
第3章では、中国・北朝鮮・韓国=東アジアの命運について書かれている。
そして第4章は「危機に備えよ」。「『日本人テロリスト』が東京を襲撃する日」という恐ろしいタイトルが並ぶ。(でも22年前に「オウム」は、それをやったのだ)
現在の日本の政治の在り方への危機感を綴っている。
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