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『道浦TIME』

新・ことば事情

6318「『社員』のアクセント

新入社員が入って来て1か月経ちますが、今、読売テレビの新入社員は研修の一環で『ミヤネ屋』の見学をしています。「ミヤネ屋」の仕事の様子を、一週間密着して勉強してもらおうというものです。毎年恒例です。もちろん、他の番組や部署の研修も、ずっと続いています。

その中で、番組終了後の反省会で、新入社員に感想を言わせました。その日は、8人いた新入社員の中から、新人女性アナウンサーが感想を言いました。

「社員の皆さんが頑張っている様子がよく分かり、こういったが社員の皆さんの頑張りで番組が支えられているんだなと、改めて知ることができました」

とかなんとか、まあ当たり障りのないことを言ったのですが、みんなが「ピクッ」と反応したのは、

「社員の皆さん」

の部分です。今「ミヤネ屋」の制作スタッフは、読売テレビの「社員」は20人ぐらいで、残り80人ぐらいは「外部スタッフ」。「読売テレビの社員」ではありません。いろんな会社から派遣されている人たちが「ミヤネ屋」の看板の下、「チーム・ミヤネ屋」として一丸となって頑張っているのです。

新社会人で、そういった細かい組織のことは分かっていないので仕方がないのですが、こういった機会にそれは学んでもらわないといけないということで、Nプロデューサーが、そのあたりの事情を説明して、

「話す時には、そういったことにも注意しないといけない」

と指導しました。

その際に「アナウンサー」ということで、もう一つ、注意しないといけないことがありました。それは、「『社員』のアクセント」です。彼女は「平板アクセント」で、

「シャ/イン」

と言ったのですが、『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引いてみても、「頭高アクセント」の、

「シャ\イン」

しか載っていません。普通、「平板アクセント」の「シャ/イン」と言うと、

「社印」(=会社の印鑑)

を思い浮かべます。そのあたりも(まだアナウンス部の新人研修は始まっていないと思いますが)研修ではしっかりと指導してもらいたい、身に付けてもらいたいと思います。

(2017、5、4)

2017年5月 7日 20:39 | コメント (0)