新・ことば事情
6310「ハグ」
沢尻エリカさん主演の日本テレビのドラマ『母になる』を見ていたら、祖母役の風吹ジュンさん(1952年5月12日生まれ・64歳)が、小学生6年生ぐらいの孫に対して、
「ハグしていい?」
という台詞を話していたのに、少し違和感がありました。
おばあちゃん(64歳の女性)が「ハグ」と言うのか?と疑問に思いました。普通は、
「抱きしめてもいい?」
と言うか、あるいは、
「ギューしてもいい?」
と言うのではないか?と。
それと共に、「ハグ」という言葉がかなり「日本語」として定着してきたのではないかなあと感じたのでした。
国語辞典では、『三省堂国語辞典』はもちろん『広辞苑』『明鏡国語辞典・第2版』は「ハグ」を見出しで採用していましたが、『新明解国語辞典』『精選版日本国語大辞典』『旺文社標準国語辞典』『明鏡国語辞典・第1版』『現代国語例解辞典』『新選国語辞典』には載っていませんでした。また『デジタル大辞泉』も「バグ」(=コンピューターのプログラム上の誤り)と「パグ」(-犬の種類)は載っていましたが「ハグ」はありませんでした。
『新明解』、「恋愛」にはご執着でも、「ハグ」に関しては古風なんでしょうか?
『明鏡』は「第1版」が「2002年12月」、「第2版」が「2010年12月」に出ているので(奥付)、「この8年間」に「ハグ」という言葉が一般に普及したのではないでしょうかね?